「理学療法士なら、20単位くらい普通にこなせないといけないのだろうか」
「周りは終わっているのに、自分だけ毎日疲れている」
「20単位に加えてカルテや書類まであると、昼休みや定時後に仕事をするしかない」
20単位がきついと感じても、それだけで能力不足とはいえません。患者さんへ直接リハビリを行う時間のほかに、移動、記録、書類、カンファレンス、予定変更への対応が重なると、勤務時間内に収まらないからです。
私は急性期病院で10年以上働く現役理学療法士で、現在はチームリーダーを務めています。20単位勤務そのものを自分の経験として語ることはできませんが、1時間の会議がある日も18単位を求められ、記録が定時後へずれ込んだ経験があります。会議日を16単位へ調整した後は40分の余白が生まれ、残業が大きく減りました。
この記事では、理学療法士の20単位がきつくなる原因を、個人の慣れと職場の仕組みに分けて整理します。負担が大きくなっているサイン、3〜5日で原因を確認する方法、上司へ相談するときの伝え方まで具体的に解説します。
結論|20単位がきついのは能力不足とは限らない
20単位を無理なく続けられるかは、単位数だけでは決まりません。記録時間、患者さんの介助量、会議の有無、移動距離、担当人数まで含めた業務設計で判断する必要があります。
20単位は、患者さんへの直接対応だけで400分、つまり6時間40分です。休憩を除く実働が8時間なら、残る80分で情報収集、移動、カルテ、書類、連携、予定調整などを行います。
ただし、20単位でも記録枠があり、会議日や新患日に単位調整ができる職場では、定時内に終えられることがあります。反対に、昼休みの記録やサービス残業を前提にしないと達成できないなら、本人の速さより職場の仕組みを見直すべき状態です。
| 確認する点 | 負担を抑えやすい状態 | きつくなりやすい状態 |
|---|---|---|
| 記録時間 | 勤務内に枠がある | 患者対応後か昼休みに行う |
| 会議・新患 | 単位数を調整する | 通常日と同じ20単位 |
| 患者構成 | 介助量や重症度を考慮する | 数字だけで均等に割り振る |
| 残業 | 実態を記録し改善する | 本人の段取りだけを責める |
| 相談後 | 対策と確認日を決める | 「慣れればできる」で終わる |
20単位が制度上どのような位置づけなのかを先に確認したい方は、理学療法士の20単位は普通?制度上の基準と無理のない職場の見分け方を参考にしてください。400分と残り80分の内訳は、リハビリ20単位は何時間?8時間勤務で残る80分と残業になる理由で詳しく計算しています。
理学療法士の20単位がきつい6つの理由
20単位のつらさは、400分の患者対応へ単位外の仕事と予定外対応が重なることで生まれます。よくある原因を6つに分けて確認します。
患者対応後に残る時間が少ない
実働8時間で20単位を行うと、患者対応以外へ使える時間は計算上80分です。朝の情報収集に15分、移動や準備に20分、連携と予定調整に15分使えば、カルテや書類へ残るのは30分です。
患者対応が時間どおりに終わっても、記録が残れば定時では帰れません。「単位は取れているから問題ない」と考えると、単位外業務の不足時間が見えなくなります。
カルテと書類が単位外に積み上がる
カルテだけでなく、計画書、サマリー、カンファレンス資料、家屋評価、装具関連書類などが重なる日は、残り80分では足りないことがあります。
書類の締め切りが近づくたびに残業が増えるなら、書く速さだけでなく、書類作成日にも20単位を変えない運用を確認してください。患者対応後に記録が残る方は、理学療法士の書類が終わらない原因と対策も参考になります。
会議や新患の日も目標が変わらない
カンファレンス、委員会、新患評価、家族面談は必要な業務です。それでも通常日と同じ20単位を求められると、患者対応以外の時間がそのまま定時後へ押し出されます。
会議日の残業が繰り返されている場合は、理学療法士のカンファレンスで残業が増える理由で、単位数との重なりを確認してください。
重症度と介助量が単位数に反映されない
同じ1単位でも、独歩の患者さんと、全介助で点滴やドレーンの管理が必要な患者さんでは、準備、移動、安全確認にかかる負担が異なります。
- 移乗や歩行に複数人の介助が必要
- バイタルサインが変動しやすい
- 点滴、酸素、ドレーンの確認が必要
- 転倒リスクが高く、常に近接監視が必要
- 検査や処置による予定変更が多い
- 病棟間の移動に時間がかかる
単位数だけを均等にしても、実際の業務量は均等になりません。とくに急性期や回復期では、患者さんの状態と退院支援まで含めた割り振りが必要です。
担当人数が多く、入れ替えと記録が増える
20単位を10人へ2単位ずつ実施する日と、20人へ1単位ずつ実施する日では、患者対応時間は同じでもカルテ件数と入れ替え回数が違います。
一人あたりの実施単位が少ない職場ほど、情報収集、移動、準備、連絡の回数が増えやすくなります。「20単位」という合計だけでなく、何人を担当しているかも確認してください。
遅れを取り戻そうとして常に焦る
検査、排泄、体調不良などで開始が遅れると、その後の予定もずれます。単位ノルマが強い職場では、患者さんと話している間も次の予定や残り単位が気になり、精神的に休まりません。
速さを優先するあまり、評価や説明を落ち着いて行えない、ヒヤリハットが増えたと感じるなら注意が必要です。単位達成が患者さんの安全やリハビリの質より優先されていないかを見直してください。
20単位でも続けやすい職場と疲弊しやすい職場の違い
20単位という数字が同じでも、職場の運用によって一日の負担は変わります。単位数だけでなく、次の項目をセットで比較してください。
| 項目 | 続けやすい職場 | 疲弊しやすい職場 |
|---|---|---|
| 単位目標 | 業務内容に応じて調整 | 毎日一律20単位 |
| 記録 | 患者枠の間や終業前に時間を確保 | 昼休み・定時後が前提 |
| 会議・新患 | 当日の単位を減らす | 追加業務として上乗せ |
| 患者の割り振り | 人数・介助量・移動を考慮 | 単位数だけで判断 |
| 予定変更 | チームで代替案を相談 | 本人が空き患者を探す |
| 残業 | 申請し、原因を分析 | 自己研鑽や能力不足として扱う |
| 相談 | 試す対策と期限を決める | 精神論で終わる |
一時的に忙しい日があることと、昼休みや残業を使わなければ毎日20単位を達成できないことは別です。複数のスタッフが同じ理由で残っているなら、個人差より業務設計の影響が大きいと考えられます。
回復期で単位、書類、退院支援、土日勤務が重なっている方は、回復期の理学療法士がきつい理由も合わせて確認してください。
20単位の負担が限界に近いときのサイン
「20単位を取れているか」だけでなく、安全、生活、心身への影響も確認します。次の変化が続いている場合は、効率化だけで乗り切ろうとせず、早めの相談を優先してください。
勤務中に出ているサイン
患者さんへの説明や安全確認を急ぐようになった、カルテの抜けや予定の間違いが増えた、休憩を削る日が続くといった変化は、余白が不足しているサインです。
- 昼休みにほぼ毎日カルテを書いている
- 定時後に30分以上残る日が続いている
- 患者さんの説明を早く切り上げようとしてしまう
- 記録漏れ、予定忘れ、ヒヤリハットが増えた
- 単位不足を避けるため必要性より空き枠を優先している
昼休みを取れない状態が続く方は、理学療法士が昼休憩を取れない原因と対処法で、休憩を削る原因を分けてください。
生活に出ているサイン
帰宅後や休日にも回復できない状態は、「仕事には行けているから大丈夫」とは限りません。勤務外まで仕事の影響が広がっていないかを確認します。
- 帰宅後は食事や入浴も負担に感じる
- 休日も翌週の単位や書類を考えている
- 勉強や家族との時間を取れなくなった
- 寝ても疲れが抜けない
- 出勤前から強い緊張を感じる
心身に出ているサイン
眠れない、食欲が落ちた、気分の落ち込みや不安が続くなど、普段と違う変化がある場合は、退職判断より先に休養と相談を優先してください。
厚生労働省の「こころの耳」では、不眠、食欲低下、動悸、イライラ、不安、仕事上のミスの増加などをストレス反応の例として挙げています。症状が重い、または長く続く場合は、精神科・心療内科などの専門家へ相談することを勧めています。
一人で相談しにくいときは、産業医、職場の相談窓口、かかりつけ医のほか、匿名・無料の電話、SNS、メール相談を案内しているこころの耳相談窓口も利用できます。
私の職場では2単位の調整で40分の余白が生まれた
私は20単位勤務を経験していませんが、付帯業務に合わせて2単位調整したことで、残業が減った経験があります。
以前の職場では、1時間の会議がある日も18単位が必須でした。患者対応に360分、会議に60分かかるため、この2つだけで420分です。実働480分から残る60分で、情報収集、移動、カルテ、書類、病棟との連携まで行っていました。
すべてを60分で終えるのは難しく、会議日は定時後の記録が増えていました。その後、会議日は16単位へ調整され、患者対応が40分減りました。
40分あれば、複数のカルテや連携を勤務内に進められます。単位数の調整後は残業が大きく減り、「仕事が遅かった」のではなく、会議と患者対応を同じ日に詰め込みすぎていたことが分かりました。
20単位の職場でも、毎日大幅に減らす提案だけが選択肢ではありません。会議、新患、書類更新、重症患者さんが重なる日だけ18単位にするなど、限定した調整から相談できます。
20単位がきつい原因を3〜5日で確認する方法
感覚だけで「きつい」と伝えるより、3〜5日分の時間を記録すると、個人で改善できる部分と職場へ相談すべき部分を分けやすくなります。
| 記録する項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 実施単位数 | 20単位・担当12人 |
| 患者対応以外の時間 | 情報収集20分、移動25分、カルテ50分 |
| 追加業務 | 会議60分、新患評価30分 |
| 予定外対応 | 検査待ち15分、排泄介助10分 |
| 休憩 | 60分中30分取得 |
| 退勤 | 定時から45分超過 |
| 翌日に残した仕事 | 計画書1件、サマリー1件 |
記録後は、次の式で一日の不足時間を確認します。
患者対応時間+単位外業務+予定外対応−実働時間=不足時間
複数日で30〜60分の不足が出るなら、単なる一日の段取りミスとは考えにくくなります。反対に、特定の書類や動線に時間が集中している場合は、作業方法や分担を見直せる可能性があります。
20単位の負担を減らす5つの対処法
原因を記録した後は、患者さんの安全と必要な記録を削らずに、勤務内へ収める方法を順番に試します。
1.休憩と実際の退勤時刻を正しく残す
昼休みにカルテを書いた時間や、定時後に書類を作成した時間をなかったことにすると、管理者からは20単位が勤務内に収まっているように見えます。
職場の方法に従い、実際に働いた時間を記録してください。勤務記録とは別に、自分用のメモへ日付、業務内容、所要時間を残しておくと相談時に整理しやすくなります。
2.会議日や新患日だけ単位調整を相談する
最初から「毎日20単位をやめてほしい」と伝えるより、不足時間が大きい日を限定すると具体的な相談になります。
直近5日を記録したところ、通常日は定時内ですが、1時間の会議日は記録が平均45分残っています。まず4週間、会議日だけ18単位に調整し、残業時間を再確認できないでしょうか。
「いつ」「何分不足するか」「どの調整を」「いつまで試すか」をセットにすると、単なる負担の訴えではなく改善提案として伝えられます。相談例を増やしたい方は、理学療法士が単位数を減らしたいときの伝え方も利用してください。
3.記録時間を先に予定へ入れる
「空いたらカルテを書く」ではなく、午前と午後に10〜15分ずつ記録枠を置きます。患者さんの変更があっても、その枠を別の患者対応ですぐ埋めない運用が必要です。
定型文や音声入力が使える場合は活用して構いませんが、必要な評価、リスク、患者さんの反応を省く効率化は避けます。安全に必要な記録まで削らなければ終わらないなら、個人の工夫の範囲を超えています。
4.担当人数と患者構成も調整する
単位数を変えにくい場合でも、患者さんの入れ替え回数、病棟間の移動、介助量を調整できることがあります。
- 1単位患者が一人へ集中しないようにする
- 遠い病棟を一日の前半・後半へまとめる
- 全介助患者が重なる日はチームで分担する
- 新患と書類締め切りを同じ日に集中させない
- 代行を依頼した日は自分の目標単位を調整する
5.改善策と再確認日を決める
相談して終わりにせず、「会議日は18単位」「記録枠を30分確保」などの対策を2〜4週間試し、残業、休憩、持ち越し書類がどう変わったか確認します。
効果がなければ別の原因を検討し、改善したなら職場の運用として続けられるか相談します。期限がないまま「様子を見よう」と言われ続ける場合は、改善する意思があるのかも判断材料になります。
相談しても20単位の働き方が変わらないとき
記録を示して具体的に相談しても、休憩や残業を前提にした働き方が変わらない場合は、今の職場だけを基準にせず、ほかの職場と比較する段階です。
今すぐ退職を決める必要はありません。求人を見る目的は、同じ理学療法士でも平均単位数、記録時間、会議日の調整、残業、担当人数がどの程度違うのかを知ることです。
- 一日の平均単位数と上限
- 会議・新患・書類更新日の調整方法
- カルテを書く時間を予定内に確保しているか
- リハビリ職の月平均残業時間
- 昼休憩を業務から離れて取れるか
- 担当患者数と一人あたりの実施単位
- 単位未達時に原因をどう確認するか
転職を考えるべき状態か迷う方は、理学療法士が転職を考えるべきサイン10選で、残業、心身への影響、改善可能性を確認してください。時期の決め方は、理学療法士が転職を考えるタイミングで整理できます。
理学療法士の20単位がきついときによくある質問
20単位の基準、18単位との差、上司への相談について、よくある疑問へ簡潔に答えます。
20単位がきついと感じるのは甘えですか?
甘えとは限りません。20単位以外に何分の業務があるか、休憩と記録時間を確保できているかで負担は変わります。まず3〜5日記録し、勤務時間を超える原因を確認してください。
20単位は理学療法士なら普通ですか?
20単位を目標にする職場はありますが、すべての職場・すべての日で普通とはいえません。厚生労働省の診療報酬に関する実施上の留意事項では、疾患別リハビリテーション料について一日18単位を標準とし、別に上限の規定があります。職場で無理なく行えるかは、付帯業務を含めて判断します。
制度上の基準と18・20・24単位の違いは、理学療法士の20単位は普通?で整理しています。
20単位は何時間ですか?
1単位を20分として、20単位は400分、6時間40分です。実働8時間なら患者対応後に残るのは80分ですが、移動、記録、書類、会議は別に必要です。
18単位と20単位では負担が大きく違いますか?
患者対応時間の差は40分です。この40分を書類や連携へ使えるかどうかで、昼休みや残業の有無が変わることがあります。毎月20日勤務なら、患者対応だけで月13時間20分の差です。
上司へ相談しても「ほかの人はできている」と言われたら?
担当人数、患者さんの介助量、会議、書類、実際の退勤時刻を比較しないまま、単位数だけで判断するのは適切ではありません。3〜5日の記録を示し、会議日のみ調整するなど、期限つきの試行を提案してください。
転職エージェントへ登録すれば20単位の職場を避けられますか?
登録だけで避けられるとは限りません。担当者へ平均単位数だけでなく、会議日の調整、記録時間、残業申請、担当人数を確認してもらい、自分でも見学や面接で質問する必要があります。
サービスごとの特徴と使い分けは、理学療法士向け転職サービスの比較で確認できます。
まとめ|20単位がきついときは時間と仕組みを確認する
理学療法士の20単位がきついときは、自分の能力だけを原因にせず、患者対応以外の業務と職場の運用を確認してください。
- 20単位は患者対応だけで400分、6時間40分かかる
- 記録、書類、会議、移動、重症度で負担が変わる
- 昼休みや残業を使わなければ達成できない状態は見直しが必要
- 3〜5日分の時間を記録すると、不足時間を説明しやすい
- 会議日や新患日だけ単位を減らす方法もある
- 相談後は改善策と再確認日を決める
- 心身への影響が続く場合は休養と専門家への相談を優先する
業務調整を試しても変わらないなら、求人を見ることと転職を決めることを分けて考えてください。ほかの職場の単位数、記録時間、残業を知るだけでも、今の働き方を続けるか判断する材料になります。
比較したうえで今の職場に残ることも、環境を変えることも選べます。大切なのは、休憩や健康を削る働き方を「自分が遅いから」と抱え込まないことです。

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